権利擁護とは…
高齢者の人としての権利をまもり、その人らしく安心した生活を送る事ができるようにお手伝いしていく事です。具体的には家庭内で高齢者虐待があれば解決に向けて支援したり、認知症により財産管理ができない方には成年後見制度といって財産管理をしてくれる方法を紹介します。また、訪問販売の悪徳・悪質商法でだまされた対応をしたり、予防策について一緒に考えて行きます。
高齢者虐待
高齢者人口が増えると共に介護が必要な人も増えてきている現代では、高齢者に対する虐待が発生しています。高齢者虐待は介護をおこなう家族等が介護を必要とする高齢者に次のような虐待を加えることです。
1.身体的虐待
つねる、叩く、殴るなど暴力を加えること。
2.心理的虐待
無視する、ののしる、怒声を上げるなど言葉などにより心理的苦痛を与えること。
3.経済的虐待
年金等の金銭を使い込み、必要な医療や介護を受けさせないこと。
4.放棄・放任(ネグレクト)
必要な介護や世話をおこなわず、ほったらかしにすること。
5.性的虐待
性的な嫌がらせや強要をすること。
このような状況が発見された場合には高齢者の安全を確保するとともに、介護している家族等に対しても適切に介護を行うことができるように支援していきます。
家族等による高齢者虐待は幼児虐待と同じように家庭内で行われているため、発見されにくいことが多く表面化しにくい状況があります。虐待が発生している場合に、いち早く発見するためには家族や介護関係者、地域住民が高齢者虐待への気づきの視点を持つことが非常に重要となります。高齢者虐待に対する気づきの視点を一部紹介します。
・隣の家から大声で高齢者を怒鳴る声がする。
・最近あまり高齢者の姿を見ない。
・たまに会っても怯えた様子がある。
・家族(介護している方)の前では話をしない。
・顔や体にあざや傷があったりする。
他にもたくさんの気づきはありますが、このような気づきがきっかけで高齢者虐待が解決できれば幸いです。
小林市高齢者虐待対応マニュアルの作成、宮崎県高齢者虐待対応専門職チームとの契約・連携

成年後見制度
成年後見制度とは、一言で言うと判断能力の低下した高齢者の権利と財産をまもる制度と言えます。認知症になられた高齢者が成年後見制度を利用することにより、後見人等が本人の代わりに財産管理や契約をおこなってくれます。
成年後見制度とは、一言で言うと判断能力の低下した高齢者の権利と財産をまもる制度と言えます。認知症になられた高齢者が成年後見制度を利用することにより、後見人等が本人の代わりに財産管理や契約をおこなってくれます。
成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度に分かれます。さらに法定後見制度は3つの類型に分かれます。
法定後見制度(認知症になってから)
・後見 判断能力のない方
・保佐 判断能力が著しく不十分な方
・補助 判断能力が不十分な方
任意後見制度(認知症になる前)
認知症などで判断能力が低下した際に後見人になって欲しい人をあらかじめ自分で選び決めておくことができる制度。任意後見契約を結び、判断能力が低下した場合には裁判所に申立てて後見監督人を選定してもらい後見業務が始まります。
小林市成年後見ネットワーク会議
2か月に1回定例で成年後見ネットワーク会議を開催しております。西諸地区の行政職員、司法書士、弁護士、社会福祉士、地域包括支援センター職員、社会福祉協議会職員などが集まり、成年後見制度にまつわる事例検討など情報共有も含めてネットワークを構築しております。日頃から専門職が顔合わせを行う事で、連携のし易さなどにもつながっています。
消費者被害
判断能力の低下した高齢者を狙い、高額の商品を売りつけられたり、オレオレ詐欺などの被害に遭う詐欺事件が多発しています。特に一人暮らしの高齢者で認知症が見られる方は騙されやすく、親切を装い近づいてくる業者に話し相手が欲しい高齢者は上手く誘導されて高額の商品を断りきれずに買ってしまったりします。
騙されたと気づいたらどうすればいい?
騙された事に気づいたら、まずは家族などの身近な方に相談しましょう。商品を購入した際には8日以内であればクーリングオフという制度を利用することができます。商品購入の証拠となる契約書や領収書はぜったいに捨てないようにしましょう。
騙されれないためには?
見知らぬ人を家の中に入れないようにしましょう。また、商品を勧められてもきっぱりと断るようにしましょう。
認知症の人はどうすればいい?
上記で説明した成年後見制度が適切です。成年後見人には取消権(同意権)を持つことができ、後見人等が認めない契約は無効とすることができます。